「プロテインには動物性と植物性があるって聞いたけど何が違うの?」
「植物性プロテインも種類があるの?」
プロテインと一口に言ってもいろんな種類があります。
動物性と植物性、植物性プロテインの中でも原材料によって特性がまた違います。
今回その解説をします。
植物性たんぱく質と動物性たんぱく質の違い
1番の違いはたんぱく質の消化・吸収速度です。(他にはホエイプロテインの方がたんぱく質保有量が多いというのもあります。)
- 植物性たんぱく質(ソイやピーなど)→遅い
- 動物性たんぱく質(ホエイなど)→早い
植物性は遅く、動物性は早いという感じです。これだけ見ると
「プロテインは吸収速度の早い動物性が良くて遅い植物性はダメ」
と感じるかもしれませんがそれは違います。
吸収速度が健康や筋力アップにどう関わるか解説するために人間の身体がどのようにできているか説明したいと思います。
人間の身体は24時間たんぱく質による分解と合成が行われている
まず私達ヒトの身体ですが以下のように身体の維持がされています。
- 筋肉や臓器、血液、骨、皮膚、髪などはたんぱく質(厳密にはその構成単位のアミノ酸)を原料に合成される
- 合成だけでなく分解も行われる(エネルギーへの転換や重要な器官へたんぱく質を回すため)
- 体内のたんぱく質や糖分が不足するとたんぱく質のかたまりである筋肉の分解が多く行われる
と言った感じに常に分解と合成が行われています。
トレーニング後に筋力アップ=筋肥大したいなら筋肉の原材料であるたんぱく質を飲む必要があるということですね。
トレーニング後飲むなら吸収速度の早い動物性たんぱく質であるホエイプロテインがいい、と言われます。これは筋トレ後破壊された筋肉の再合成に、吸収速度が早いほうが素早く使ってくれるからですね。(トレーニング後の30~60分の間はゴールデンタイムと呼ばれます)
一方分解(+合成)は特定の時間に関わらず常に起こっています。これは活動しない睡眠時も同様です。
睡眠時は6時間以上寝ている=食べ物を食べない、ためこの時間は体内に残っているたんぱく質だけで分解と合成を補うことになります。
このとき役に立つのが植物性のたんぱく質の吸収速度が遅いという特性で、吸収に時間がかかるため睡眠時にも体内に残って長時間に渡って合成に使われます。
ソイプロテインやピープロテインなどの植物性プロテインが寝る前に飲むのがおすすめとか女性におすすめと言われるのは、筋力アップより分解を防ぐのに適しているからです。
他にも植物性プロテインはたんぱく質以外の栄養成分も多く含んでいる(ソイなら大豆イソフラボンとか)メリットがあります。
植物性プロテインの種類。ソイやピー以外にも色々ある
植物性プロテインですが一番有名なのは大豆でできたソイプロテインだと思います。ただそれ以外にも実は結構種類があります。
- ソイプロテイン(大豆)
- ピープロテイン(えんどう豆)
- 小麦プロテイン
ソイプロテイン(大豆)
ソイプロテインは大豆を原料とした植物性プロテインです。ピープロテインと似た特徴を持ち、ホエイプロテインより吸収速度は遅めです。
日本のプロテイン市場ではホエイとソイの2製品がほとんどです。
また最も大きな特徴として大豆イソフラボンを多く含みます。大豆イソフラボンは女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをする成分で骨粗しょう症の予防や更年期障害の軽減等への効果が期待されています。
女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンが美容によいと呼ばれること。ホエイより吸収速度が遅い特性が筋肥大より筋力を落とさず身体の維持をできダイエットに向いていることから女性向けとも言われますね。
そのため痩せつつダイエットをしたい方や女性に向いています。大豆を含むため大豆アレルギーの方は別なプロテインを検討したほうがいいです。
ピープロテイン(えんどう豆)
ピープロテインはえんどう豆を原料とした植物性プロテインです。ソイプロテインと似た特徴を持ち、ホエイプロテインより吸収速度は遅めです。
日本ではまだピープロテインを生産している会社は少なく珍しいと思いますが、海外の健康食品市場では注目されているのがえんどう豆たんぱくです。
ソイプロテイン同様にアミノ酸を豊富に含むこと。特に体内で合成できないため食べ物から摂取するしかない、必須アミノ酸の中でも筋肉の修復や生成に不可欠とされている3種がBCAA(ロイシン、イソロイシン 、バリン)がホエイプロテインと同等量含まれています。
また筋疲労回復や免疫アップに効果的なアミノ酸の「アルギニン」に至ってはホエイよりも多く含まれています。
他にも乳糖不耐症や大豆アレルギーの方でも飲めるプロテインであること。完全植物由来のためヴィーガン(動物由来の原材料を一切取らない)方向けであること。
これらが注目されています。また同じ植物性のソイプロテインは原材料として遺伝子組み換え大豆でないものを大量に用意するのが大変、という健康食品業界の事情もありより安全性の高いえんどう豆たんぱくが注目されています。
ソイプロテイン同様痩せつつダイエットをしたい方や女性に向いています。また乳糖不耐症や大豆アレルギーの方でも飲めます。
小麦プロテイン
小麦たんぱくを原材料にしたものが小麦プロテインです。ただ他のプロテインでよくある水で溶かして飲むタイプを製品化した小麦プロテインは少ないです。
粒状にしてサプリメントにしたり、パンの材料に混ぜて高タンパクのパンやケーキの原材料となるケースのほうが多いです。
その名の通り小麦を使っているため小麦アレルギーの方は注意が必要です。